「あとに続く人の為にも、この裁判、負ける訳にはいきません!」
濱田正晴さんと原告弁護団は裁判の勝利を宣言した。

2012年10月5日、午前11時20分から東京地裁415法廷で、裁判が行なわれた。
精密機器メーカーのオリンパス社が最高裁決定による東京高裁確定判決に従わない事を発端とした、
第一次裁判終結後から現在までのパワーハラスメントに対する損害賠償という、珍しい裁判だ。
原告はオリンパス社の社員、濱田正晴さん。(51才)

濱田さんは平成19年6月に取引先社員を上司が二度目の引き抜き工作をしているのを知り、その不正な行為をオリンパス社内に設置してある「オリンパス・コンプライアンス・ヘルプライン」(内部通報制度)に通報したところ、そのメールが当の上司にまで廻り、全社員が濱田さんの内部通報行為を知る所となった。
濱田さんは同年8月に配置転換され、それまでチームリーダーであった営業職から内勤に回され、ひたすら資料を読むだけの毎日が続いた。
これは内部通報者への違法な配置転換として、オリンパス社に元の職場に戻す様求めた裁判を起こした。
平成23年8月31に東京高裁で配置転換無効の判決が降り、濱田さんの訴えが認められたが、オリンパス側がこれを不服として上告、最高裁まで争われる事になった。
翌年24年6月28日に最高裁はオリンパスの上告を棄却して濱田さんの勝訴が確定した。
にも係らず、オリンパス社は濱田さんに子会社への転籍や出向案のみを提示。

濱田さんは転籍案には同意せず、出向案にも「就業規則に定めが無く、現在その子会社へオリンパス社から出向している人は一人も居ない事実が人事部から示された」としてこれに同意しなかった。

さらに同年9月25日には、内部通報後から4回目の配置転換命令が降りた。
濱田さんは代理人を立て、配置転換命令に対する異議申し立てをオリンパス社に送付した。

内部通報前は多くの部下を有するチームリーダーだったが、その職位を解かれ、部下のいないスタッフ職にされた事により、昇級、昇格、昇職位の道を閉ざされた。

子会社への転籍や、出向提案に終始する事は、到底、最高裁決定を受けての、誠実な協議であるとは言えないものであり、平成23年2月24日東京高裁控訴審の終結翌日から平成24年9月3日の第二次訴訟提訴日までの、パワーハラスメントや人権侵害に対する損害賠償請求が今回の裁判内容だ。

最高裁が内部通報後の配置転換を無効としたにも係らず、不利益人事を続け、濱田さんを通報前の職場環境におけるチームリーダーに戻さないのは何故か。
オリンパス・コンプライアンス運用規定では、内部通報者に対する不利益人事行為は禁止されていると言う。

最高裁決定後も不利益人事を繰り返すオリンパス社に「憤りを感じる」と濱田さんは訴える。
また、弁護団は、「配置転換無効の判決が最高裁で決定したにも係らず、それに会社が従わないとすると、多くの人が内部通報、公益の為の通報は駄目なんだと思ってしまう。後に続く人の為にも、この裁判、負ける訳には行きません!」と勝訴を宣言した。

原告の濱田正晴さんはこの日、「正社員の僕ですら、こんな状況なんですから、労働という意味においては、もっともっと大変な派遣や契約の方々等、これから労働裁判をやならなくてはならない方々の為に、結論を出さなくては」と非正規雇用の内部、公益通報被害者を気遣い、さらに、「ここでくじけてしまっては、そういう言う人達に与える影響も良くない。私が権利回復すれば立場の弱い方にも希望が持てるようになる」と公益通報者の為、そして、公益通報保護法の改正実現の為にに闘う決意を語った。

次回裁判期日

日時・平成24年11月30日 金曜日 午後1時半から
場所・東京地裁 415号法廷




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司法記者クラブで「第四次配転命令無効を訴える裁判も起こします!」と発表する濱田正晴さん。

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ネットメディアと主権在民を考える会

でインタビューに答える濱田さん。