「暴力は止めろ!」「可笑しいだろ、Tシャツの文字がだめなんて」法廷の中に悲鳴と怒号が飛び交う。
30人の傍聴人の目の前で原告の園良太さんは警備課の職員によって法廷から連れ出され、裁判所の敷地外へ退去させられた。

2012年10月29日、午後2時から東京地裁721号法廷で行なわれた麻生国賠の法廷は、開廷後、10分もたたない内に、傍聴人の失笑とヤジに包まれた。
苛立った裁判長が厳しくそれを咎め、さらに傍聴人が裁判長対して非難のため息を返す。
裁判長は園さんが着ていたTシャツのロゴが裁判の進行の妨げになるとして、「ロゴを隠すように」と指示が出された。
それに対して園さんは「理由を述べて下さい」と切り返した。
傍聴席から「字なんか見えないよ」「可笑しいよ」と抗議の声が上がり、頑としてTシャツのロゴのどこがいけないのか、論理的な理由を示さない裁判官に傍聴人の失笑の声が漏れた。
裁判長は「傍聴人は笑うのを止めなさい!」と傍聴席に警告して審議を一時中断し、再開されてもTシャツの文字を隠すように園さんに要請した。

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(写真は裁判所入り口でTシャツのロゴを隠さないと入館を認めない、と言われ、裁判所入り口で警備員と睨み合う園良太さん)


支援者の一人、麻生国賠事務局の青年が「可笑しいぞ!」と野次ると裁判長は不規則発言として退廷を命じた。
園さんはそれに激しく抗議、2時20分には園さんも退廷、そして裁判所の敷地外へ退去を命じられた。沢山の警備員にもみくちゃにされ、担ぎ出されるように法廷から退廷させられる園さんの様子に傍聴者から「暴力は止めろ!」「表現の自由を認めろ!」と怒号が飛び交い、法廷は騒然となった。
その直後に法廷は閉廷となり傍聴者達は職員達によって強引に法廷から出された後、弁護士会館で待っていた園さんと再会した。

園さんの弁護団は「このような原告への行為は法廷警察権の濫用である、違法な対処の仕方に異議を申し立てます。次回裁判期日は未定だが、早めに決めて、園君達の逮捕の不当を国に認めさせたい」と支援者達にこれからの裁判への闘い方を宣言した。

裁判後の親睦会では支援者から「裁判を進める様に柔軟に対処して欲しい」「最初の目的を忘れないで」「いいや、おかしな事は可笑しい、と言わなきゃいけないんだ」と、混乱を極めた法廷闘争のやり方に対して活発な議論がなされた。
そして「あの裁判長は何ですか?笑っちゃいけないって、私達は人間ですよ、感情を表現するなって何ですか?」「園さんは麻生邸リアリティーツアーで警察に、裁判所では裁判官に表現の自由を弾圧されたんです」と裁判所への不信と怒りの声が噴出。

 園さんは今日の裁判について「裁判が中止になり、法廷から退去させられたのは、悔しいし、怖い事です。裁判所の入り口にも最初から公安が居て、見張っていた。三権分立なんだから、そういうの止めて欲しいです」と裁判所の過剰な程の対処に強い憤りを見せた。
「裁判長はデモにも行かないし、政治運動もした事が無い、街頭で抗議運動をする人間に偏見がある」
「裁判官やジャーナリストは現場から切り離されたエリート職になりつつあるのです」
さらに「このTシャツを脱ぐ事は民主主義の死、裁判所の死を認める事になります!」とこの日の裁判所内での行動は信念に基づいた正当な物であると、胸を張った。
今後、裁判と共に、園さんの運動の方針を聞いてみたところ、「三つの抱負があります」と切り出した。

「ひとつは福島の事。最新型の権力の横暴が行なわれている。 放射能安全キャンペーンをやったり、被災者同士を争わせたり。これをなんとかしたい。二つ目は沖縄の事です。オスプレイ、米兵のレイプ_酷い事だらけ、日米安保を見直し、戦争政策をやめさせよう、と皆に訴えたい。そして三番目は野宿者強制排除の事です。東京の暴力の最先端だと思う。そして最後に福島にしろ、問題は世界中に繋がっている。世界の人達と連携して繋がり、運動を展開して行きたいです」と今後の運動の理想を語った。

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退廷の理由となった園さんが着ていたTシャツ。
「YES! 抗議NO!排除」の文字。黒地にグレーの文字で殆ど見えない。
これが裁判所で禁じている、ゼッケンやプラカード、腕章の使用に当たるとして、この文字、ロゴを隠すように再三注意を受けた。