2013年暮れも押し詰まった12月29日の午後10時30分頃、渋谷区のナイキ公園で野宿者の強制排除が行なわれた。
テレビ、新聞は殆ど報じられない中、ネットやTwitterなどで中継や実況が行なわれ、闇討ちに近いその暴挙に強い批難の声が上げられている。

詳細はこちら『田中龍作ジャーナル』で。

http://tanakaryusaku.jp/2013/12/0008487 

 晦日前の出来事に驚いた方も多いと思う。
渋谷区に抗議しようにも区役所は仕事納めで閉まっている。
しかし区役所から強制排除の実働隊は動いて来るという不思議。これが闇討ちでなくてなんだろうか。
寒空にねぐらを奪うやり方に「血も涙もない」「渋谷区は命の危険がある事が解っているのか」と怒りの声を上げる人は多い。

  30日の午後5時頃、ナイキ公園を訪れてみた。
公園の入り口はしっかりと施錠され、まるで軍事施設のようだった。(公園なのに施錠?)
鉄条網のような入り口の金網に、手書きの看板が縛り付けてある。
写真1

ふむふむ、どうやらこの先に排除された野宿者達の野営場所があるようだ・・・ん?
この地図、左右逆やんか!(実際は右側が原宿方面です)
いやいや、修羅場の中で急いで書いたんだろう・・・と好意的に解釈し、
ナイキ公園から原宿側に(渋谷側を背にして進行方向、横断歩道を昇降すると目の前に神宮通り公園)歩き、野営地についた。
歩道にあるテントの残骸らしきもの。
写真2

2013→2014 渋谷越年越冬闘争の横断幕。
支援者達の熱い思いが伝わる。

写真

炊き出しの準備がすすめられていた。
写真4

たまたま、そばにいたSさん(野宿連メンバー)に話しを聞く事が出来た。

__何が起きたのか教えて下さい__

S「僕らはこの取り組み野宿者の支援を始める前に渋谷区役所に何回か行ったんです。12月の最初のころです。渋谷区としては年末年始の閉庁期間中に寝場所のない仲間(野宿者)にどういう対応してくれるのか、と」

____年末年始、区役所が閉まる間、野宿者の対応についてですね__

S「普通は福祉課に行けば、生活保護なんなり、色々ケアがあるし、カンパン配ったりしてるけど、年末年始はどうするんだ。渋谷区でそれを準備しないのなら、仕方が無いから、仲間の生き死にがかかるので、宮下公園でやるよ、と話しをしにいったんです。それに対して、渋谷区の方では守衛さんの窓口の所へ行けば生活保護の方へ繋ぐなりなんなりするよ、という話しだったんです」

______年末年始は守衛さんが福祉課などへ連絡してくれる筈だったんですね___

S「ところが、本当に仲間が行ったら実際は追い返されてしまって、こっち(宮下公園)に来たんです。その人達を緊急搬送したら頭蓋骨が折れていて即入院でした。そう言う重病の人が渋谷区役所を追い出されて、僕らが緊急搬送したり、これは本当に大事な取り組みなんです。」

_____区役所は話しが違いますね___

S「その他、寝る場所のない弱った仲間が寝てたので、ある意味しかたなく宮下公園に大きな20名くらい寝れるテントを作ったんです。
ナイキ公園は夜10時に施錠します、それでは野宿者は眠れない、そこは突破しようと言う事で。」

___何故施錠するのですか__

S「施錠したら公園じゃないだろうと言う事で、それはまた別に裁判を今やっています。」

__年末年始、区役所が閉庁してる間、福祉課等の代わりに野宿者達の為の
テントを作ったら区役所がそれを夜中に壊しに来た__

S「そうです。公園課も来たけれども、僕らは「福祉課を呼べ!」と何度も言ったんですけども、結局呼ぶ事もなく、向こうは「出て行って下さい!」というばかりでした。
役所は年末年始役所は閉まってるんだから、ある意味代わりに僕らが野宿者のケアをやってるんだから、それくらい(テントを作る事)は見逃してくれるだろう、と僕らは踏んでいたんです。
公園の使用のルールとしては僕らがやってるのは逸脱した行為なのは確かなんです。
けれども役所が閉まってる間、緊急避難的な、話しだから、生存を守ってる訳だから、それくらいは向こうもいいとは言えないけれど黙認してくれると思ってたんですけれど。

____有難うございます、よく解りました__


この神宮通り公園では越年越冬支援イベントが予定されています。
餅つきや医療・よろず相談など。