広範囲の瓦礫受け入れに反対する運動が高まるなか、様々な事件起こり、逮捕者が出ている。
先に紹介した下地真樹阪南大学準教授のように(参照・下地真樹先生東京交流会)逮捕・勾留に不当性を感じるものが多く、瓦礫拡散・焼却処理における放射能被害を心配する市民の間で不満と抗議の声が高まっている。

 また2012年11月13日に大阪府の此花区民ホールで開催された瓦礫反対の集会で逮捕された女性Pさんを巡っては、勾留中投薬制限が行なわれた事から憲法学者などから「憲法で禁じている拷問である」と多くの抗議の声が上げられた。(Pさんの釈放を求める憲法研究者声明)(Pさんは2013年2月25日に保釈)

 そのPさんの勾留理由開示公判の時に傍聴席で開廷後に発言した男性MUさんはその場で職員に取り押さえられ、5日間も大阪拘置所に収監されたという。

 先月28日に行なわれた園良太君の最終弁論に大阪から駆けつけていたMUさん(写真)に直接話しを聞く事が出来た。

__何があったのか教えて下さい__

MU「僕はPさんと一緒に逮捕された四人のうち一人です。Pさんとは何かあった場合はお互い救援しようという約束がありました。残りの三人は起訴されました。僕は処分保留で釈放されました」

__釈放された身でPさんの2013年1月25日の勾留理由開示公判に行かれたのですね__

MU「そうです、大阪地方裁判所です」

__そこで何が起きましたか__

MU「裁判長が閉廷宣言した後に発言しました。公判中に怒りが爆発だったんです。何故なら一連の弾圧の逮捕・勾留状とかバンバン自動販売機のように判をついたり、体の弱い
Pさんの年末の保釈請求を却下したりしていたのが、小野寺健太裁判長なのです。だから、閉廷したのでもう大丈夫だろうと一言二言発言しました」

__なんと発言したのですか__

MU「小野寺許さないぞ、です、そしたら、
確保しろ、みたいな事言われて。職員に20人くらい取り囲まれて。他の傍聴者は文句を言ったのですが小谷弁護士が混乱を押さえる為に「後は私に任せて下さい」と法廷から傍聴者に退去を促しました」

___職員に取り押さえられたのですか__

MU「暴力的な確保ではなかったです。確保しろ、と小野寺裁判長は言ったのですが、職員達はいいの?裁判長がこんな強権発動するの?という風にためらっていました」

__何日拘置されましたか?___

MU「大阪拘置所に5日間ですね」

__裁判所があなたを拘置した理由は__

MU「当日出された裁判所の決定書には『不穏当な言動により裁判所の職務の執行を妨害し、かつ裁判の威信を著しく害した』ので『本人を監置5日に処す』と書いてありました。適用された法条は『法廷等の秩序維持に関する法律2条1項』だそうです」

__有難うございました__

写真

瓦礫広域処理には放射能被害だけでなく、様々な環境汚染の疑いのある廃棄物も含まれている事から、焼却処理による健康被害への影響が懸念されている。震災瓦礫の広域処理、焼却処理は今まで無かった事だ。環境省の安全基準も疑問視されている。
不安を抱く市民の声と行動に行政と司法は強権を発動する事によって
問題の本質的解決をさらに遅らせている様に見える。
瓦礫広域処理は沢山の被害実例が出ている。

東北被災地がれき焼却地の秋田県横手市で——子どもたちの尿からセシウム

この事例から見ても、瓦礫広域処理は「国は市民の為に公衆衛生に勤めなければならない」とする憲法25条に違反している。
多くの市民が反対・抗議の声をあげるのは当然だ。


また自然界にも瓦礫拡散処理の影響は未知数のままだ。
これらの問題をふまえて、瓦礫反対運動に強権を発動し続けるのは国が国民の健康被害を保障しないとする態度と見て良いだろう。
健康被害や環境汚染の防止の為に運動する事は国民の当たり前の権利だ。
それなのに裁判官は自動的に逮捕状に判を押し、衰弱した勾留者の保釈請求も認めない。
その事で裁判官を法廷で批難したら拘束されてしまう。
日本は中世の暗黒時代に逆戻りを始めたと言う事なのだろう。
平和で豊かな時代のロウソクの残り火が未だ明るく灯っているので、その事に気が付かない人が多いだけだ。