2015年1月23日発売(2/6日号)の写真週刊誌『FRIDAY』(以下同誌と表現)によると、元理研の上級研究者・石川智久氏(60)が小保方晴子氏(31)(元・理研CDBユニットリーダー'14年12月21日付けで依願退職)を兵庫県警にES細胞窃盗の疑いがあるとして、兵庫県警水上署に告発状を提出する用意があることを報じた。

 インタビューし、記事を書いたのは警察ジャーナリストで銃器評論家の津田哲也氏。
警察組織の腐敗や聖域であった弁護士の非行について、鋭く追及するフリージャーナリストだ。
(以下、
石川氏、小保方氏、津田記者と表現)

 主な刑事告発の 内容だが、小保方晴子氏が実験成果の捏造をするために、理研在職中にSTAP細胞実験の論文共著者であり、共同実験者だった若山照彦山梨大学教授(47)が主管していた「若山研究室」の留学生「李」さんが作成していたES細胞を箱ごと盗んだ容疑だという。

 盗んだ犯行時期については同誌によると「ある理研研究者」の証言として「若山研究室は山梨大学に引っ越すためにバタバタしていて、'13年の1月から4月頃に盗まれたとしか考えれない」と語っているとして、その時期ではないかと推察されるが、石川氏はインタビューで細胞窃盗時期を何時何時、と指摘していない。

 NHKの『STAP細胞 不正の深層』でも'13年の引越しの時に持って行くはずだったES細胞が小保方氏の冷蔵庫から見つかったとしているので、ES細胞の窃盗時期は「引越しのドタバタ時期」で間違いないのだろう。

 そして石川氏は「留学生からES細胞を盗んで何も知らない若山氏に「キメラマウス」を作らせていた」と話す。

 これについて少し検証してみようと思う。

【時系列で考えてみよう】

 教育機関の引越しは大抵、年度末までに済ませるので、小保方氏が細胞を盗める期日は'13年の4月をリミット、と設定出来る。
そして同誌の「ある理研研究者」の証言の'13年の1月からを犯行時期の開始期間とすると、それまでは何を使ってSTAP細胞を捏造していたのだろうか。

 実験時期を照らし合わせれば、最初のSTAP細胞実験成功が2011年11月25日で、それから細胞作成(以下細胞作成を樹立と表現)は2012年頃頻繁に作られている。
(参照・若山照彦山梨大学教授の移管手続き書類

 若山氏が大学へ引越す時に細胞を盗んでも、研究室がまるごと引っ越しては共同実験ができなくなるので、小保方氏が普通の頭をしていたら、引越しのドタバタには盗まないのでは?(STAP細胞は冷凍保存ができない《設定》なのですぐそばに若山氏がいないと、キメラマウスを作る共同実験できない)それとも、小保方氏がユニットリーダーになった後にもSTAP細胞実験を捏造し続けるために、ストックとして盗んだのだろうか。

 細胞実験の実験サンプルは大切に取り扱われるとされる。
運送される時は紛失防止のために、魔法瓶にドライアイスを詰め、人の手で運ばれる事も多いそうだ。
実験サンプル一つを不注意で壊してしまった人はその研究室に居られなくなったという報告も聞く。
それが、仮に犯行時期を1月から4月の4ヶ月期間として78本もの実験サンプルが紛失していてどうして捜索がされなかったのだろうか、という疑問を抱く。

 同誌によると「李」さんはサンプルが無くなったので山梨大学で実験を続けることを断念した、とあるので、「李」さんにとっては人生の一大事だった訳だ。
研究室も捜索したろうし、盗難・紛失届けも当然出すだろう。
ヒトES細胞と違ってマウスのES細胞は管理に厳しい決まりはないものの、実験成果物が忽然と消えるのは研究室にとって大問題の筈だ。

 しかし、神戸理研、埼玉理研ともに、再三問い合わせても、「実験成果物の盗難も紛失届けも過去に事例がない」と答える。同誌の記事を読んで改めて埼玉理研に問い合わせたが「実験成果物の盗難・置き忘れはあり得ない」と答えた。

 おかしな話である。
同誌の記事は、「引越しのドタバタ時期にES細胞盗んでを若山教授に渡してキメラを作らせていた」とあるが'13年1月から4月までなら STAP幹細胞実験は一回だけでキメラマウスは作られていない。
どうしても、時系列的に合わないのだ。
そして理研の情報公開開示書でも、「李」さんの細胞移管手続き、盗難・紛失届けは見当たらない。

 さらに、理研の開示文書「理研CDB内における、2010年から2013年3月までの遺伝子情報、研究サンプルの盗難・紛失届け」は文書非存在(届出の事例がなかった証拠)だった。
時系列と公式書類と合わせて帰納法で推論しても、「盗難事件はなかった」結論がでるのだ。

【ES細胞で騙されるの?】

 同誌では若山氏は小保方氏からES細胞を「STAP細胞ができました!」と言って渡され、それでキメラマウスを作らされ、騙されていた、というものであるが、そもそも、STAP細胞論文は何度も論文を審査する機関から「 ES細胞の混入ちゃうん?」と却下され、その疑いを乗り越えて晴れて権威ある科学雑誌に掲載され世に認められたものであるのだ。

 論文発表時には、「ES細胞」と「 STAP細胞」の形の違い、大きさの違いについて説明が行われた。
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 STAP細胞は新生児マウスの脾臓の血液から作られたので、とても小さい。
それは若山氏も十分に確認していた筈だ。(
若山氏は筆頭論文者の一人)
そして「ES細胞より樹立は簡単」と述べていたり、ES細胞の混入を否定していた。
またSTAP細胞は万能性がなく(!)それを特殊な液で培養してSTAP幹細胞、それのパワーアップ版のFI幹細胞へと育てて、万能性を持たせる仕組みになっている。

 ⚫️STAP細胞 増殖能力なし
 ⚫️STAP幹細胞 増殖能力あり
 ⚫️FI幹細胞  万能性あり(胎盤を作れる)
 ⚫️ES細胞  増殖能力あり(胎盤は作れない)

 大雑把にそれぞれの能力をまとめてみた。
ES細胞をSTAP細胞だと渡されても違いは分かると思われるが、皆さんはどうお考えだろうか?
そしてES細胞からはFI幹細胞が作れないという検証結果を理研の丹羽博士、故・笹井博士が証言している。

 STAP細胞は小保方氏が窃盗していたES細胞で作られていた、説はFI幹細胞の存在によって否定されてしまう。また、ES細胞ではキメラマウスは胎盤まで分化できないので、蛍光タンパク( GFP)でSTAP細胞遺伝子を色付けして、分化するとSTAP細胞で作られた臓器が光る仕組みになっていのだが、マウスの全身・胎盤が光る画像が存在している。これの説明がつかない。

 また再三お伝えしたように若山氏自身が「ビカビカに光る画像を見て感動して胸が震えた」というコメントを残しており、全身発光画像も若山氏の撮影と聞いている。

 小保方氏は今、世間から無能な研究者としてバッシングを受けている。
それが細胞を偽造して3年間細胞学者を騙し果せていたのならむしろ天才的生物学者だろう。
小保方氏が盗んだES細胞とTS細胞を継ぎ接ぎして万能細胞、FI幹細胞を作れたのなら、それはやはり「万能細胞成功」なのであり、小保方氏は「国家の宝」である。


【ES細胞はどこから来たの?】

 それでは今までのSTAP細胞調査から分かった事を簡単にまとめてみよう。

 若山研究室に居た「李」さんが作っていたES細胞は「GOF-ES細胞」で、細胞実験に使っていたとされるES細胞とは種類が違うのだ。
そして同誌では「STAP細胞にES細胞は必要ない」としているが、若山氏は記者会見で「ES細胞を小保方さんに学生が渡した」と証言している。
またコントロール用(比較対象実験のため)に若山氏もES細胞を'12年の5月25日に樹立させている。

 この学生が渡した、とするES細胞を理研の調査委の報告書から分析の結果、「小保方氏に学生が譲ったものに間違いない」とする意見がある。

一研究者・教育者の意見

 それならば同誌に書かれている「発見されたES細胞」Boxは持ち主の「李」さんのサインがあり、サンプルには小保方氏の筆跡で文字が書かれていてもおかしくないだろう。
(盗んだ箱のまま、使うという事も考えられへん)

 一つ、非理系の謎がある。李さんの作ったES細胞はGFPがついていたのだろうか、と言うことだ。 もし、ついていなければ、実験はできない。 盗んでも価値がないものだ。


【小保方さんの部屋は鍵を付け替えられた?】

 同誌には石川氏の証言としてそう書かれているが、理研に問い合わせたところ、「そのような事実はあり得ない」との事だった。




取材協力・理研総務部 広報部

参考雑誌 月刊科学雑誌『Newton』4月号 9月号
       同   『化学』  8月号