『若山博士は129/Svでキメラを作ってないとメールで断言』の記事内容について、解り辛い、というご意見を頂きましたので、同頁について、論点整理してみたいと思います。

  Jさんは『Bioscience』の記者 Cynthia Fox氏がSTAP細胞実験について、STAP細胞の由来への疑念が増大している事について、若山博士にインタビューした記事を取り上げ、若山博士の「129からSTAP幹細胞を二つ樹立したが129からはキメラマウスを絶対作っていない」「おそらく、論文の129のキメラマウスについて論文を書いたのは笹井博士で(笹井博士が)実験を行ったと思っています」とのコメントを発見しました。(記事掲載は2014年3月27日)(若山博士が論文撤回を呼びかけたのが3月10日)

 ここの129とはAC129-1と2を作ったマウス129/Sv の事で、STAP-MTAに記載ある試料129/Svの事であろうと思われます。

考察:若山博士は「マウス129/Svで実験してSTAP細胞から2株を樹立した。しかしそれからキメラマウスは絶対作っていない。多分129で論文を書いたのは笹井博士で、彼が実験したのだと思います。」とコメントしています。

 Jさんはメールで「若山博士はこのインタビューで小保方博士から渡された129のSTAP細胞からキメラを作っていない、と述べているだけでそれ以下でもそれ以上でもない」として、「論文または架空実験のねつ造した文章と解釈するよりも、論文共同出筆上での単純なミスによるものかと考えます。
若山博士は論文提出後は論文の修正については小保方博士笹井博士との確認が十分に出来ていなかったようですし。」と129でのSTAP細胞実験は架空だったと推理する木星に知見を示してくれました。

 またJさんは「STAP細胞論文上は様々なマウスの種類で多能性を確かめた、129系(carrying Rosa26-gfp等)の記載があるのはSTAP幹細胞だけを指すものではないか、と考えます。」とも指摘。
論文上にある様々な種類のマウスで多能性を試した、とあるのはSTAP幹細胞「STAP stem cells with all」に集約され、キメラマウスで多能性を示した、という意味では無い、と分析しています。
それから、FES1については

 『大田FES1の件は、AC129と同じ129X1B6F1と遺伝子解析されましたが、付与されているGFPが違いますし、その付与されている場所も違うのですが、
そのGFP関連の遺伝子部分以外ではAC129とほぼ酷似した遺伝的汚染・遺伝的不均一性が示されています。
つまり、大田FES1として解析された試料は、若山研でAC129の戻し交配相手の129B6F1と同じ(GFP部分だけ無い?)マウスとの交配を持ったものと考えられます。
(もっとも大田FES1に特徴的なGFPはB6マウス側にあり、そのB6マウスと大田氏記憶での母親マウス129/+Terとの掛け合わせた際に、GFPの無い?129B6F1とも交配させた理由は不明で、ここらへんに大田FES1試料が実験当時のFES1ではない?、すり替えが疑われるとこ ろではありますが)』

 とSTAP幹細胞の正体、大田博士が作製したFES1が実験当時のものではなく、FES1とされるものの中身のすり替え、が行われた可能性を示しました。


 木星は129/Svで実験していない、129B6の試料が129/Svにすり替えられていたのではと騒いでいますが、JさんはFES1こそが大田博士が作られたものではないのではないか、と指摘しました。


 129B6の細胞を選びそれを大田FES1とした。試料の追跡を逃れる為に古い選ばれた?憶測でしかないですが。

 しかしその「大田FES1の正体とは何か」が大きな謎として残りました。
何故なら、この「大田FES1」はSTAP実験当時、若山研には存在していなかったからです。
制作者の大田博士が2010年に若山研から京都大学の研究室へ移る時に全て持ち去った、と証言されてえるからです。(移管届け書類は保存期間(五年程度)が切れていたため、FES1の移動経路を追跡する事は出来ませんでした。)
「大田FES1」は誰にも盗めない、混合しようがない。


 理研の桂調査委はそこには触れず、解析の結果STAP幹細胞は「大田FES1」である可能性が高いと結論付けています。
サイエンス雑誌の記者達も「STAP細胞の正体は大田FES1だった」と報道してそれでこのSTAP細胞事件は終焉だ、と。

 そこにあるはずのない細胞がSTAP細胞の正体だったと。
非論理的であり、非科学的です。

 STAP細胞事件は何も解決していないのです。 
STAP細胞事件はたった数ヶ月だけ論文監修に携わった笹井博士の自/他殺という最悪の結果を招きました。小保方博士には論文投稿料60万円の返還という事実上の賠償が科せられました。 

 そして尚小保方博士への研究費返還要求の声が木星に届きます。
これはおかしな事で、STAP細胞実験中に「大田FES1」を混入させたとする犯人が見つかっておらず、またその動機も不明である事から、混入事件かどうか言えないと桂調査委は報告しています。

 調査委が小保方博士がES細胞を混入したと結論付けているのならともかく、小保方博士が盗み
ようが無い「大田FES1」で不正をどうやって働いたといえるのでしょうか。小保方博士実験ねつ造説は歪んだ非現実論です。

 
 このようにおかしなところだらけのSTAP細胞事件ですが、Jさんの情報提供により、若山博士は日本のサイエンスジャーナリストには語っていない「笹井博士が勝手に129系でキメラマウスを作ったと論文に書いた。」と不満/心情を吐露していた事が解りました。つまり、笹井博士に論文を”盛られた”という事らしいのです。


 ここから何が解るのか。見えて来るものは何か。
実験担当者と論文共著者達の不協和音。
STAP細胞実験は重要な所(幹細胞樹立、キメラマウス作製)は全て若山博士が担当しています。
その実験重要部分を担当した現場の博士がなんだか解らないほど論文が修正されたという事は小保方博士にとってもチンプンカンプンな内容だったはずです。そして三人笑顔の記者会見。
謎だらけです。
しかも論文作製に秀でた(おそらく日本の最高峰)笹井博士が修正したのにも関わらず、論文がネイチャーに掲載された途端、読者から多くの疑義が持ち上がったという。
論文を読んだ人は「画像を示す番号が変」とかすぐに気がついたそうです。

 何故そんな杜撰なチームワークで論文提出が進んだのか。
何回も試してだめならまたやり直す、一年、2年先に投稿を延ばすで良いではありませんか。
論文発表から数えて三年後でも小保方博士はまだ33歳です。
研究者としては充分若い。

 このような杜撰で拙速な論文投稿になった背景は最先端科学の闇が隠されていると思いませんか。

 世間ではもうSTAP細胞事件は終わり_と考えているようですが、木星は出来る限り多くの人と議論して真相に迫りたいと思います。資料や書面も出尽くし、真相追及は始まったばかりです。
実験で死んだマウス、細胞達の冥福を祈りながら、再生科学の歪みが産んだ日本科学史に残るSTAP細胞事件を追いかけて行きたいと思います。