2014年9月4日付けで、江渡聡徳(えと・あきのり)防衛省は3日夜に行われた記者会見で「集団的自衛権」について、「ある程度必要」との見解を述べたと報道された。

 第二次安倍内閣改造でいよいよ本格的に自衛隊の他国派兵が行われる事が実現化しそうな勢いだ。

 今年7月に閣議決定した「集団的自衛権行使容認」について、「憲法違反である」「憲法9条をないがしろにする暴挙だ」との世論の批判が高まっている。

 これは憲法第9条の「武力による国際紛争の解決は放棄する。その為の陸海空の戦力は保持しない。国の交戦権は認めない」の規約に違反するからだ。

 集団的自衛権を行使したら例えば友好国であるアメリカが中東紛争で交戦した場合、自衛隊が中東まで行ってその交戦に参加する事になる。(最悪の予想としてイスラエルのパレスチナ攻撃支援もあり得る)

 そして、これらの行為は防衛省の基本理念である「専守防衛」とも相容れないものだ。

 「専守防衛」とは「相手から攻撃を受けてから初めて軍事力を行使する事。そして、「必要最低限の自衛に努め、交戦国への攻撃を行わない事。自国領土のみで作戦する事」などを理念として掲げているものである。

 自国が攻撃されていないのに「集団的自衛権」の為に他国へ派兵となればこの基本理念をどう解釈するつもりなのか。

 無謀な第二次世界大戦参加の為に多くの一般市民の犠牲者を出し、無計画な海外出兵に餓死者が続出した。
尚も敗戦を受け入れず、本土も焦土と化し、原爆まで落とされた事への反省として「日本は二度と戦争をしない」「他国へ日本人を戦争に行かせない」ことを誓った。

 その集大成が「9条」と「専守防衛」だ。

 そのゆるぎない国の憲法と防衛省の基本理念を再確認して、改めて「集団的自衛権」を容認する防衛相の発言を見ると、違憲で省益から離れた「独善的」と思えるが、記者会見でそれを突っ込む記者は皆無だ。

 改めて、「集団的自衛権行使容認」は文民統制に違反し、民主政治を脅かす存在として市民は監視し行かなくてはてはならないと感じる。


画像は2014年7月1日に三鷹駅北口で集団的自衛権に抗議する市民団体。
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防衛省HPの基本理念「専守防衛」概要。
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