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2011年10月5日、羽毛田信吾(はけた・しんご)宮内庁長官(69)が野田佳彦首相(54)に女性宮家創設を検討するように求めた。 羽毛田長官は皇室典範を改正し、結婚をしても皇族の身分を離れる事無く、身分が変わらないようにし、皇位の安定的な継承制度の安定も求めた。
 

現在の皇室典範では女性皇族は結婚したら皇族の籍(皇籍)を離れる。

現在唯一の天皇の男の子の孫が秋篠宮悠仁さま(5歳)。 女性の孫は皇太子家の長女愛子さま(9歳) 秋篠宮家の眞子さま(20歳)佳子さま(16歳) 他に昭和天皇の弟、三笠宮家の孫達、5人も全て女性皇族となる。 若い皇族9人の内、皇位継承者は悠仁さま一人だけ。 その事について危機感を持った宮内庁が、野田首相に直訴した。
 

皇室が、皇室たる所以が男子継承なら、直系継承者が一人しか残らない皇室の姿というのもまるで絶滅危惧種のようで、痛々しく、もっと合理的に考えれない物かと思う。

何故男子でなければ、皇位継承者になれないのか、生まれた時に性差で存在価値の優劣を決められる女性皇族は日本のジェンダー思想の幻想を破り捨てる存在だ。
 

天皇家とは日本の象徴である。 日本国憲法において、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」(第1条)と位置づけられられている。 男女共同企画参加の推進に余念がない内閣府はこの男性優位の日本の伝統文化の象徴と女性地位向上の啓蒙運動との矛盾について説明が出来るのだろうか? 男性優位の男子継承の皇室典範が<日本国民統合の象徴>なのだろうか?
 

何故男子皇族でないと駄目なのか? 天皇が神に収穫の感謝を捧げる新嘗祭という宮中祭祀が11月23日に執り行われるが、これは女人禁制で男子皇族しか列席出来ないと言う。

そもそも新嘗祭の秘技存在と国民の象徴である天皇家と言うものは矛盾していないだろうか。国民の象徴であるなら秘技の存在を明らかにし女人禁制などという特異性を廃止するべきだ。
 

皇室典範の改正が皇室の危機との声もあるが、お世継ぎが一人しか居ない崖っぷちの 現在の皇室の姿をなんとかしてあげたい、と思えないのなら、それもまた男子継承の 幻想にとらわれた妄執だ。
ざっくばらんに言って、皇室は後継者問題においては『詰んでる』状態にある。 是非なしで、改正すれば良い。

数が足りないのなら、増やすか、残すしか、当てはないのだから。 この皇位継承問題は伝統や神道の話ではなく、理学で考えれば良い。 結論から言って、他に手だては無い。

戦後、無理矢理皇室の近代化などする歪んだ形での皇室のあり方そのものが、全国民によって問われるべき時が来てるのではないか、と思う。

皇族継承のあり方も国民投票で決めるべきだし、性差によって皇位の継承が出来ないシステムを国民の象徴としてるのが可笑しい。
いっそ皇室は日本の男権主義の象徴、に変えてはどうだろうか。

催事に欠席される雅子さまの姿は、男女平等の本音と建前に翻弄される日本の女性達の共感を誘いこそすれ、非難される事ではないと思う。
あの姿が、日本のジェンダー思想への幻想と幻滅を象徴しているのだ。
 

いくら優秀なキャリア・ウーマンであろうと、語学に堪能であろうと、『お世継ぎ』を産む能力のみが認められ、皇太子の後は三歩下がって歩くように躾けられる。
雅子さまは生ける日本のジェンダー思想の幻想と幻滅なのだ。
いま、皇室典範が改正され、女性宮家が創出されれば、ほんの少しだけでもジェンダーの幻滅を緩和させる事が出来る。
それに一役買うのも皇室の急務なのではないだろうか。
 

2011年12月13日にレイバーネットに投稿した物を一部改訂して再掲しました。