代議制民主主義の危機の危機だ。
いや、はなから日本には民主主義はなかったのか。
戦後60年、永々と国民が育てて来た議会制民主主義を真っ向から否定するのが 「原子力規制委員会」
の人事案だ。それがあっさりと国会で認められた。
前原子力委員会委員長になる予定の田中俊一氏は原子力ムラを推進して来た人物であるという。

そもそも、原子力発電を監視・規制しなくてはならない筈の「規制委員会」は第三者的立場の原子力行政に詳しい人物がなるのが相応しいと誰もが思うだろう。
東電への事故処理対応や被害者補償制度作りでもさんざん、言われてきた事だ。

それなのに原発へのシビア・アクシデント(防災予測を超えた過酷な事故)を予想して事前に厳しいチェックをしてゆく委員会のトップが原子力ムラの出身者なら、第二、第三の福島第一原発事故が起きてしまう可能性が高い。
現に今回の福島原発の事故は自民党政権時代からも、何度も地震や津波の事故への備えの不備を指摘されて来たのに、
安倍政権が放った「何もしてないが安全」という無責任な言葉で無審査・無検査まま、片付けられて来た。

この原子力規制委員会への人事権は首相が特命権を一任できる_としたものが原子力規制人事案なのだ。任命後の国会で議員達のの事後承認もいらない。
これは独裁、と呼んでも良い。

原子力ムラから原子力官僚が生まれ、それらが首相を選び出し、首相が原子力ムラから委員会の委員長を選ぶ。
そこに国民の信託を受けた代議士(国民の代理で政治を行なう、選挙で選ばれた政治家を代議士と呼ぶ)達の会議も議論もない。
原子力ムラの中で会議され、事件事故は原発の中で起き、国民が被曝する。
原子力ムラ=原子力帝国は中央集権化(国の全ての権力、実行力を握る事)に成功した。

国会が原子力をチェック出来ないなら、議会をしないのなら、税金で贅を尽くした壮麗な国会議事堂に価値はは無い。
さっさと博物館にでもして国民に“返還”しろと言いたい。


原発監視はや「骨抜き」 事後同意も不要論 規制委人事 国会素通り




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