今年のNHK大河ドラマ、『八重の桜』のキャンペーンに復興予算が拠出されている_
そんな噂が流れ、Twitterユーザーを中心に「視聴をボイコットしよう!」などと怒りの声が Webで上がっている。

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 復興予算が各省庁で被災地支援とは無関係に流用されている、とスクープしたのはNHKだ。
そのNHKまで復興予算をドラマのキャンペーンに流用しているという。
“皆様のNHK”にあるまじき行為ではないか。

 早速NHKのお客様相談室に問い合わせてみた。
すると「NHKは番組制作費や宣伝費をお客様の受信料以外から使うような事はありません。そんな事はできる筈ありません!」ときっぱり否定した。しかし、ポストセブンの記事では『八重の桜』キャンペーンに復興予算から3・4億円が拠出されたとある。
ではこのお金は何処に流れたのか。

 『八重の桜』のヒロイン、山本八重(同志社大学を創った新島襄夫人)が生まれた会津若松市市役所に問い合わせた。すると此所でも特別な観光推進の予算は要求していないという。
今度は福島県庁の「観光交流課」に問い合わせたところ、福島県庁が観光誘致のキャンペーンの為に復興費を要求して、それが国に認められていた事が分った。

 福島県庁では昨年6月に『八重の桜』が大河ドラマされる事を知り、これから
注目を浴びる「八重の故郷・福島県」を目玉として3・11から激減した観光客を呼び戻す「観光復興キャンペーン」をする事に決め、復興費から予算を出す様に観光庁のある国交省に要求した。その結果、観光キャンペーン費用として補正予算3・4億円の内示を受け、交渉の末、国から実際に補助を受ける金額は3・1億円となった。

 主にこれから降りる予定の予算で山本八重の周知を目的とした企画展を開催、また観光パンフレット、のぼりなどを作ったという。
この金額を県が立て替え、国が清算する仕組みになっている。

 ポストセブンではNHKにドラマのキャンペーン費用として復興費が拠出されている様に書かれているが、実際には福島県の観光キャンペーンの費用として県庁に拠出されるというのが正しいようだ。

 県の観光交流課では「ドラマ『八重の桜』を福島の観光推進の核として風評被害等を防止し
たい」と語っているが、黙っていても大河のロケ地には毎年大勢の観光客が押し寄せる。
福島県全体で三億もかけてわざわざ放映前に観光キャンペーンをする意味があるのだろうか。
確かに、観光客誘致は地元の経済が潤い、復興に役立つのかも知れないが、これが復興費からポン!と出されるのは些か違和感を抱く。

 中小企業グループには復興補助金の拠出を63%却下している現状を見ると、一般企業には辛く、官庁、役人には甘い復興費の拠出と言う感想が残った。

 また復興費が諸官庁に流用されている、とスクープしたNHKに悪印象を与えるようなポストセブンの記事作りにも何か意図あるのか、と勘ぐりたくなる『八重の桜』復興費流用騒動だった。
予算の流用はNHKとは無関係だったと言う事で、視聴ボイコットなどせず、これからも安心して八重の活躍を楽しみたいと思う。

Twitter @iraksa