2013年2月22日、午後四時頃、福島原発告訴団が東京地方検察庁を包囲した。
先に告訴団が告訴・告発した東京地検に東京電力を起訴してもらう為の“激励”が目的だ。
告訴団は福島からバスをしたて、次々と地検の所在地、霞ヶ関に乗り込んで来た。
中でも目を惹いたのが目玉のような参加者。
精霊

「あなたは誰ですか?何処から来ましたか?」と聞くと、「私は山の精霊です...告訴団を応援する為に来ました...」と遠慮がちに答えてくれた。

 福島から到着した参加者は「地検は起訴せよ!東電は自首しろ!」と書いたチラシを持って地検を取り囲んだ。2精霊

告訴団
 
















 告訴団は地検に起訴と強制捜査を求めた署名40265筆を地検の公安部の上村亮氏に届け、その後東京地裁にある司法記者クラブで記者会見を行なった。

 そこでは代理人の河合弘之さんが衝撃的な告発を行なった。
 チェルノブイリの原発事故の場合は4年後に甲状腺癌が増えたので今福島で子ども達に症状が出ている甲状腺癌、または疑いのあるものは福島原発事故が原因でないとされようとしています。チェルノブイリで甲状腺癌の調査が始まったのが4年後。原発事故4年で癌が発生するというのは誤報です」と報道陣に厳しい口調で被曝による癌の罹患は猶予期間がない、という事をハッキリ訴えた。
 
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福島原発告訴団、代理人挨拶。右:海渡雄一  左:河合弘之弁護士

 地検を包囲した参加者達と東京地検の検察官に向けて河合弘之弁護士の発表したメッセージ。
河合「こんにちは弁護士の河合です。安田行雄、海渡雄一この三人で弁護団を作って頑張ってまいりました。私たちが何故、告訴告発をしなきゃいけないか、と考えた理由は、福島のあのような被害を引き起こし悲劇を引き起こし、そして、もうちょっと運が悪ければ国を滅ぼしかねなかった、ああいう大災害を引き起こした東電の役員達、彼らが刑事処罰されないという、これ以上の不正義、正義に反する事態はないと考えたからです。 

 彼らを絶対に刑事処罰をしなければ日本での正義は通りません。第二次世界大戦を除けば、日本史上、歴史が始まって以来の最大の人災であります。笹子トンネルの事件も大事件ですが、あれの何万倍もの大きな被害と悲しみと悲劇をもたらしている。それが福島第一原発の事故なのです。それを引き起こした東電の役員達が誰も刑事責任を問われていないと言う事は非常に正義に反する事です。 

 例えて言うなら、第二次世界大戦を引き起こし、日本を地獄に突き落とした東条英機が全く罰せられないでのうのうと町を歩いているのと同じ事です。そう言う事を決して私たちは許してはいけません。
 そして私たちはそういう思いで、福島県に渦巻いている、被害者の方達の怒りをこの福島地検と東京地検にぶつけました、検察庁の皆さん聞いて下さい。

 今、日本にはここ数年、検察不祥事というのが続いて、国民の検察に対する支持や信頼は大きくゆらいでおります。 そして、その検察が名誉を挽回し国民の信頼を取り戻すには、この事件をきちんと強制捜査をして、そして、起訴にこぎ着けるしかないと思います。検察の本懐は被害者とともに泣き、巨悪を撃つ、これが検察の本懐であります。(中略) 検察の本旨を実現するためには日本史上最大の人災に対して 現場検証をして証拠を調べ上げ、真の責任者東電の役員達を逮捕・起訴する以外にはあり得ないのです。

 東京地検の検察庁の前にこんなに人数が集まって起訴を要求する事は初めての事です。それだけ日本国民の怒り、福島県民の怒りが強いと言う事を、検察庁の皆さん、是非理解をして下さい。私たちの怒りを受け止めて下さい、それでこそ、日本の正義が通るのです。福島地検、東京地検の検察官の皆さん、本当に国民の付託に答える為に強制捜査・起訴にこぎ着ける為に、力を合わせて頑張りましょう!」