役人答弁に終始した会見だった。
2015年9月1日、五輪組織委員会は佐野研二郎氏がデザインしたエンブレムを使用中止、事実上の撤回を表明、同日午後6時から記者会見が行われた。

事務総長 武藤敏郎氏 記者会見 概要

「エンブレムは撤回、新しいデザインを公募によって決める」「佐野氏は模倣・盗用ではないが国民の理解が得られないので取り下げたい、という事で決まった」「ベルギーのリエージュ劇場で使用されているロゴマークとは似てるとは思えない、全く似ていない」「今日佐野氏とエンブレム選考委員会の永井一正氏と私とで話し合いました」「佐野さんはご自身は盗作・模倣した事はないと明言しており、その立場を尊重しており、取り下げを申し出した事で、佐野さんは佐野さんで責任を果たされたのではないか」「国際的に信頼が失墜したのではないか、という事ですがこれを長く続けて行くと余計国際的信用を失墜してしまうのではないか」「(佐野氏の様子について)佐野さんとは冷静は意見交換が出来た 模倣で取り下げたのではない。オリンピックに関わるのは子供の頃から憧れであった。それが国民からかくも批判が出た事は取り下げてオリンピックを成功させて欲しいという事だった」「スポンサーについてはご理解して頂きたい」

「最終的には組織委員会が取り下げたという事です。(何故佐野氏が会見に出ないのか)この席に佐野さんが居なくてはならないということはない」「佐野さんが自ら取り取り下げるとおっしゃいました。佐野さんは、模倣だから取り下げるのではないという事は、はっきりして欲しいという事だった」

 誰にも責任がかからないように練り練った官僚答弁、役人答弁だった。
佐野氏は「模倣・盗用ではないが、国民の指示・理解を得られない」
組織委員会「ベルギーのリエージュ劇場のロゴとは全く似ていない」
責任問題や懲罰については「新しいエンブレムを作って行く事で・・・」
という事でこの会見では内々で選考委と佐野氏が深い関係にあった事や最初問題視された佐野氏のデザインを再考させた事は追及されなかった。

 佐野氏は「模倣・盗用ではない、そこはハッキリさせたい」という事なのに取り下げる、と言う事で支離滅裂だ。また取り下げを表明した事で「原案者としての責任を果たした」という組織委の見解も意味不明。また武藤氏は最終責任やスポンサーへの賠償について言明をさけた。

 結局長時間記者会見を聞いて解ったのは「エンブレムは国民の理解を得られないので取り下げ、撤回、再公募する」という事だけだった。

 「国民の理解、不支持の為に取り下げなのだから、賠償や予算の補填は国民の税金から」か?
呆れてものが言えない。

 





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