2013年3月21日、午後1時から霞ヶ関にある経産省の敷地内に建てられた、反原発の意思表示として作られた「経産省テントひろば」で記者会見が行なわれた。

 「経産省前テントひろば」とは、2011年9月11日に、脱原発を求める市民グループ1300人らが経産省包囲網(ヒューマンチェーン)を行い、抗議集会をした後、そのまま経産省敷地内に
6坪のテント1張りを建てて泊まり込みを始め、20代の若者4人でハンガーストライキを行った事をきっかけに誕生した。

 その後第二、第三テントが建てられ、原発被災地福島は元より、世界中から反原発の趣旨に賛同する人びとが集まり、勉強会や音楽会など様々なイベントが行なわれるようになった。


 何度か今までに経産省から立ち退きの勧告を受けたものの、テント運営者達が粘り強く経産省に交渉を求め、「テントひろば」は存続を続けていられた。しかし、3月6日に「テントひろば」に東京地裁から「占有移転禁止仮処分決定」の通達が出された。

 これは、「テントひろば」の持ち主が誰かを明確にするもので、明け渡しの為の裁判をする時の責任者、原告を指名するための措置と思われる。「テントひろば」の代表者である渕上太郎さん、と正清太一さんの二名がテントひろばの地権者である、と法律で定められた。

 会見に当たった弁護士は「訴状が今日にも自宅に届いているかも知れない」とこの仮処分の決定が明け渡し裁判の前哨戦である事を説明した。

 いよいよ、経産省前テントひろばは、明け渡しに向けて、法廷で経産省と争う事になった。
ただし、被告は渕上さん、正清さんの二名だが、原告は「国」法務大臣が原告となる。

 経産省は表に出て来ない(明け渡しを求める責任者にならない)事に首を傾げてしまうが、さらに資料に驚く事実を発見した。

●資料から〜(一部分り易く割愛しています)
 正清さんと渕上さんの自宅に経済産業省から内容証明郵便で「経産省内での無許可テント設置による使用料金相当賠償金の国庫納付」と称する納付告知用紙が送られて来た。
送付の日付は3月14日。
支払う金額は総額で110,590,90円。約一千百万円を越える金額を地権者となった二人に払えというのだ。

経産省


 信じられない値段に私は会見の場で質問した。
私「この金額の算出の指針って何ですか」渕上「国有地のここの路線価格、
2011年9月から一日二万円くらいで計算したようです」

 既に遅延金も発生してると言う。元々空き地であった場所に建てられたテントから、経産省はどのような被害を受けたというのだろうか。

 渕上「使用料を払え、というのなら、まだ分るけどね、いや払わないけど」

 日本の反原発意思表示の中継基地であった「経産省前テントひろば」様々な催しもので賑わい、反・脱原発を願う人びとの交流に貢献した代表者が高額な損害賠償金を求められる。
IWJのリポーター原さんは「これはスラップですね」と呟いていた。

 国は今、このテントひろばを法律で縛り、高額の賠償金で潰そうとしている。
これからさらに大きな動きがありそうだ。

Twitter @iraksa